2005/1/10
不動産投資信託のリスクとリターンを考える
現在、東京証券取引所に上場されている不動産投資信託の数は13本です。特にここ1−2年の間に上場本数が急増しました。今回は、僕個人ではけっこうノーマークだった不動産投資信託のことを書きたいと思います。
ノーマークというのは、自分自身ではやるつもりがないから、というのが前提としてあったという意味なのですが、不動産投資信託も日本ではできて間もないにもかかわらず、ずいぶん本数が増えてきましたよね。実際、個人投資家の人気も徐々にではありますが、高まってきているようです。
上場不動産投資信託は、他の株式に比べて高い配当金が期待できるため、配当金狙いのニーズが高いようです。高齢者を中心に、毎月分配型ファンドが人気を集めていますが、理屈はそれと同じですよね。
もちろん、上場不動産投資信託の場合、配当金の受取は年二回(ファンドによっては年一回)の決算時のみですが、終生保有する覚悟があれば、価格変動リスクを気にかけることなく、相対的に高い配当金を受け続けることができます。
ただ、配当金狙いで上場不動産投資信託を購入する投資家は確かに多いみたいですが、一方でリスク要因が高まっているのも事実です。
まず投資主の比率をみると、やはり法人保有が圧倒的に多いです。問題は、どの法人が上場不動産投資信託を保有しているかです。
このところ目に付くのが、銀行の保有です。特に地方銀行の一部は、超低金利による運用難から高い配当金収入が期待できる上場不動産投資信託への投資を進めているふしがあります。地方銀行ばかりが投資主になってしまうと、似通った投資行動を取る可能性が高いため、ファンドの売り買いが一方向に偏りがちになります。その結果、市場価格が乱高下しやすくなる恐れがあることは否定できません。
加えて金利上昇リスクがあります。大きく金利水準が上昇すれば、相対的に不動産投資信託の配当金の優位性が薄れる恐れがある。今は、たまたま超低金利なので、上場不動産投資信託の配当金が魅力的に見えますが、金利水準が上昇すれば、長期債の優位性が高まります。また、借入を増やしている不動産投資信託の場合、金利上昇によって借入コストがアップし、配当利回りが低下する恐れがある。
長期金利が上昇する一方、上場不動産投資信託の配当利回りが低下すれば、特に配当利回り目当てで投資している投資家は、上場不動産投資信託を手放そうとするはずです。
今の金利水準から考えても、いずれ長期金利は確実に上昇局面に入ります。これから不動産投資信託に投資するのであれば、そのリスクを頭に入れておくことが肝心ですよね。