2004/12/4
銀行の証券仲介業の進出と外国債券について
いよいよ師走です。これから忘年会の時期や仕事の年度末事情で忙しくなってくると思いますが、無事に乗り切ってお正月はお雑煮でものんびり食べながら年を越したいものですね。
今年の私個人の株や商品のトレードを振り返ると、かなり反省の多い一年でした。相場における「迷い」というものが多かった、そんな一年だったのですが、「迷い」というのは、自分自身の相場観の甘さからくるものですから、来年は同じ相場に勝つということにしても、確信を持ってトレードしていくことをもっと心がけたいです。
さて、自分の反省はどうでもいいのですが、いよいよ銀行が証券仲介業に乗り出しますね。証券仲介業とはたとえば独立系FPや保険代理店などが提携している証券会社の代理店として、株式や債券など有価証券の売買を取り次ぐというものです。この分野にいよいよ銀行が参入してくるということです。
では、証券仲介業に乗り出した銀行は、一体どのような商品を販売してくるのでしょうか?
投資信託はすでに窓口販売が行なわれており、一定の実績を積み上げています。株式の取次ぎについては、システム対応も含めて、時期尚早でしょう。となると、債券が有力候補として考えられます。
ただ、債券といっても、すでに国債は扱っているので、銀行の場合、外国債券が証券仲介業をスタートさせた時に、取り扱う商品の最有力候補となります。外国債券とは、海外の企業、あるいは公共機関が発行する債券のこと。また、日本企業が海外市場で発行する債券も、外国債券の一種です。外国債券の場合、購入時、利払い時、そして償還時と、どのような通貨建てになるのかによって、いくつかの種類があります。
まず、購入時、利払い時、償還時のすべてが外貨建てで行なわれるものを「外貨建て外債」といいます。これが最も為替リスクの高いタイプです。
一方、すべての過程が円建てで行なわれる外国債券もあります。これを「円建て外債」といって、外国債券の一種ではありますが、為替リスクをいっさい心配する必要がありません。
そして、その中間的存在が、「デュアルカレンシー債」です。二重通貨建て債券といって、円建てと外貨建ての混合型。購入時と利払いが円建てで行なわれる一方、償還金や償還前に売却した際のお金は、外貨建てで支払われます。
外貨建て外債の場合、利払いも外貨建てになるため、利払い時に円高ドル安が進んでいると、円建ての受取金額が目減りするリスクがありますが、デュアルカレンシー債であれば、利払いは円建てで行なわれるため、利払い時の為替リスクは心配する必要がありません。外貨建て外債に比べて、為替リスクは軽減されるのです。
ただ、実際に国内で個人向けに販売されている外国債券は、外貨建て外債が主流です。したがって、外国債券を購入するに際しては、通貨国の金利動向や債券の信用力に加え、為替相場の動向にも配慮する必要があります。
特に大事なのは、通貨国の金利動向です。外貨建て外債の場合、往々にして為替リスクにばかり目を向けがちですが、金利動向も最終的なリスク・リターンには大きな影響を及ぼすからです。
債券ですから、通貨国の金利水準が低下すれば、債券価格は上昇。逆に金利水準が上昇すれば、債券価格が下落します。もちろん、償還時まで保有するつもりであれば、額面金額で元本部分が戻ってきますから、外貨ベースでの元本割れは避けることができます。でも、償還前に売却する場合には、通貨国の金利動向は、きちっと把握しておく必要があるでしょう。
いずれにしろ、外国債券という金融商品自体の種類を把握することが大事なんでしょうね。今年はあと何本かコラムを書いて年を越したいものですね。