2004/11/6

リスクに強い欧米のデリバティプ投資における付き合い方

 

 「人生では、とりわけ資産運用に関しては、何もしないことこそがリスクだ」。
 欧米でデリバティプ投資ビジネスに関わる人はみんな口を揃えてそう言うらしいですね。では、欧米のプロたちはどうやってリスクというものに付き合っているのだろう?そう思ったことを発端に、少し欧米流の「デリバティブ投資との付き合い方」を調べてみました。今回はそれを紹介したいと思います。ご参考になれば幸いです。

<その@>ファンドを組み込む
 「投信には良い思い出がない。もうサラリーマン・マネージャーが運用するファンドなど信用できない」「投資信託は販売業者、管理業者、運用・執行業者からさまざまな形でフィー(手数料)が抜かれる」「投信で儲かるのは業者だけ」。
 これはいずれも、日本での「ファンド評」です。しかし、欧米ですと、個人投資家の投資手段といえば、ヘッジファンド、ミューチュアルファンド、マネージド・フューチャーズ(先物ファンド=商品ファンド)など、ファンド運用が最も人気があります。
 特に、近年は、デリバティブを積極的に使うヘッジファンドの人気が高まっています。先物ファンドを含むヘッジファンドの資産は約一兆ドルと言われているのですが、人気の理由として考えられることは、個人投資家の頭がよくなった。つまり、ヘッジファンドをポートフォリオに加えることで、株式の値下がりリスクをカバーすることに投資家たちが気づき始めたからだと思うんですよね。
 あと、小口化が進んだことも大きな理由です。昔であれば僕が知っているだけでも最低単位が100万ドル以上など、個人投資家にとって手が出せないファンドが多すぎました。でも、今は違います。欧州ではプライベートバンクのほぼ90%以上が扱い始めていますし、個人投資家もプライベートバンクに口座を開けば、日本円で1000万単位で購入できるようになりました。大金持ちの中には、資産の20%以上をヘッジファンドに投資している人もいると聞きますし、そういった意味ではファンドの研究というのは、これから日本の投資家も必要になってくる投資知識だと思いますね。
 問題は、日本ではまだ確定利回り型の投資にこだわる金融機関や投資家が多く、FOF(ファンド・オブ・ファンド)といっても欧米並みの高い運用成績を示せてないことですが、今後投資家自身が分散投資の一部としてリスク商品の扱い方を習熟してくれば、もっと高収益が期待できて、特徴あるファンドが生まれてくるかもしれません。そこらへんを期待したいところですね。

<そのA>投資顧問を雇う
 既製品のファンドを買うのではなく、独自に運用マネージャーを雇うのも、これからの投資家の選択肢の一つです。複数のマネージャーに資金を配分するだけの資産があれば、ファンドのオーダーメイドも可能です。
 調べてみると、ある商品投資顧問(CTA)が過去10年以上、ほぼ毎年利益を出しているのですが、良いCTAに資金を配分して運用すれば、自分が直接取引きするよりも良い成績が期待できる可能性があるということですよね。
 日本でも最近は、若くて有望なトレーダーが組織を飛び出し、投資顧問ビジネスを始める例が増えています。当初はインターネットでの情報サービス、ソフト販売などで、ファン層を拡大しようと考えているトレーダーが多いですが、欧米のように運用資金を提供する「エンジェル」みたいなものが、日本でも一般化すれば、そういう人たちの技術が生かされるときが来ると思います。
 大手の金融機関と異なり、資本金やスタッフ数の点で規模が小さい投資顧問だけに、名前や伝統を信用する投資家からはまだまだ身構えられがちですが、時代は変わってきています。

<そのB>自分で投資する
 どこらへんが欧米流のアドバイスなのかわかりませんが、自分で戦い大きなリターンを手にする。これが全ての投資家の理想ですよね。ですが、そのためには、たゆまぬ研磨と余裕ある資金、強靭な精神力、あるいは優れたシステムが必要です。
 人によっては「一つの市場で安定した収益を確保するのは無理」という考え方から、マーケットはいくつか分散して株だけ、商品だけ、オプションだけという限定された投資を嫌うプロの投資家もいますが、個人的に思うのは「分散投資にはお金がかかる」ということです。
 ある程度資金がないと、株や預金、不動産あるいは金など全てに分散投資をするというのは不可能ですから、ここらへんの欧米流システマチック分散投資法にはかなりスーパーリッチ(大金持ち)のエゴがあると思いますね。

  <そのC>パートナーを探す
 最後にもう一つ。米証券会社の幹部の方がアドバイスしております。
 「個人投資家にとって最も怖いのは、ブローカーであれ投資顧問であれ、付き合う相手が誠実でない場合だ。残念なことに投資の世界にも、そういう輩はまだまだ生き残っている。何をやるにしても、まずは信頼できるパートナーを探すべきだ」。
 投資のリスクは、マーケットや購入した投資商品の値動きによるリスクだけではないということですね。これは先ほどの「自分で投資をする」ということにも通じると思いますが、結局は投資判断のノウハウなり技術なりをどこから教わり、誰から師事を請うのか。そこらへんに係ってきてしまうのではないでしょうか。

 さて、おまけですが、米国先物協会(NFA)が小冊子にまとめて配布している『悪い営業マンの犠牲にならないための10か条』を紹介しましょう。
@急いで決断するな(投資のチャンスは常にある)。
A商品、サービス、投資、チャリティーそしてその勧誘組織・会社には、必ず郵便よる書面を要求せよ。
B完全に理解するまで、いかなる投資もするな。
Cその会社がどのような監督機関に規制されているのか、そして許可、登録されているのか確認せよ。
D会社と組織をチェックせよ(事前に監督機関などで情報を集める。多くの投資家はあとになってチェックする)。
E投資や大きな買い物の場合は、自分の会計士、ファイナンシャル・アドバイザー、銀行、弁護士の意見を聞くため、その情報を送るよう要求せよ(詐欺師は、あなたが他人の意見を聞く事を嫌がる)。
Fもし購入して満足しなければどう償還請求するのかを確認せよ。
G自分でチェックできない相手の信用調査や企業案内などには注意せよ(誰かがその会社を褒めたとしても、実は会社がその人にお金を出していることもある)。
H営業マンが正当な資格を持っていると確認するまで、電話やインターネットで個人の金融情報を提供するな。
I必要なら、電話を切れ。

 ブローカーの立場から見たら、耳が痛くなるようなこともけっこう書いてありますが(笑)、概ね考え方としては必要なことですよね。みなさんも一度はチェックしてみてはいかがでしょうか?  



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