2004/9/25

生涯設計と必要な人生の収支計算

 

 最近、日経平均株価も不穏な動きが出てきたみたいで、「まだ下がるんですか?」という質問をよくされます。ただ、一般の人が弱気になり始めた頃が相場の世界では「買い場」になることが多いので、そこまで悲観的になることもないと思います。
 みなさんもご存知かと思いますが、「節分天井、彼岸底」という格言がありますよね?これは2月3日の節分あたりが高値で、3月21日の春分の日前後のお彼岸が底になるという意味なのですが、あれなんかもかなりいい加減なところがありますよね。統計的な裏づけがまるでとれていないですから。この10年とか15年とかをみても、節分天井どころかお彼岸のほうが節分のときより高い日がかなりあります。
 つまり、相場の格言とは古今東西いろいろあるわけですが、中には単なる語呂合わせに近いニュアンスで有名になったものとかも多いわけです。そう考えると、統計的な格言というよりも自分なりの相場の必勝法を見つけることの方が僕は重要だと思うのですが、どうでしょう?

 相場の必勝法。これは「必勝法」というからには理論的なりシステム的なものなんでしょうね。そうなると、今の投資家の方たちが、株であれば毎年必ず20%は儲けられる、30%は儲けられる、というような継続的なものじゃなければならないんだと思います。
 さる9月20日、敬老の日でした。厚生労働省が発表した「長寿番付」によると、わが国の百歳以上の高齢者は今月末時点で23038人に達するそうですが、長生きをするというのは、喜ばしいことであるとともに、不安を感じてる人も多いようです。それは長寿化とともに極端な少子化が同時進行しているためですが、そういう変化に対応できない国の老人福祉政策の行き詰まりに、将来の不安を抱える人がかなりいるのだと思います。
 そう考えると、今後「人生設計」を考える上で、今の自分の置かれた環境のことだけなく、定年後の未来まできちんと計画を立てる必要性がでてきたということです。

 さて、サラリーマンの方や事業を営んでいる方々は事業計画、経営計画、中長期経営計画などに直接間接に関わって仕事をしていると思います。会社という組織が成長を遂げていくためには会社の収益源泉、将来の収益計画など収益面からの数字と、固定費や変動費といった経費や、将来にわたる経費削減計画など支出面からの数字をかみ合わせながら年度決算ベースで収益を上げていきます。
 これらの企業の会計(収支計算)や将来にわたる計画の立て方に関しては多くの研究、資料、書籍が発行されています。そして、世の中の関心も企業という組織に関しては情報があふれんばかりという状況です。

 それでは、一方個人の生涯にわたる収支計算に関してはどうでしょうか。給与や家計など月ベースや2,3ヶ月先までは大きな関心を持っているでしょうね。毎月の収入、収支の両面から考えて収支を計画し、出費をおさえ貯蓄する内部留保を積み上げるという行動はまさに企業で行う経営計画を実行しているわけです。 
 これを少し長い期間で考えると、半年ごとのボーナス収入(中には3回、4回の人もいるかもしれませんが)に対してローンの返済、大型の消費、旅行計画などを立てて、自分自身や家族行事などプランに合わせた行動を年単位で考えます。
 ここまでは日常の生活の中で考えることであり、これに不慮の事態を考慮して生命保険や傷害保険など非常時の準備を加えていきます。これで一般的には相当程度、人生設計を考えていると言えますが、実はまだまだ奥が深いです。

 自分の人生全体を眺めるために時間の考え方をずっと先へ延ばし、定年までを収入・貯蓄の時期、定年後の時間を支出の時期ととらえて一生の収支計算を行ってみましょう。
 イメージで言うと、富士山を思い浮かべるような感じです。一生の時間を横軸にして考えると、社会人になってからの勤労時間の経過と共に貯蓄、収入が増えて、定年をピーク(山頂)にそのあとは貯蓄を経費に回して資金が減っていきます。
 現在から定年に向かって、教育費や結婚資金などを支出しなければならない事柄が家族単位で予定される。これらの出費をこなしながら貯蓄を積み上げ、定年時の退職金を受け取った時点が収支計算プラスのピークとなるわけです。
 一転して定年を機に、毎年、貯蓄を引き出しながら、支給される公的年金と合わせて暮らしていく。これでお墓に入るまで生活を共にする人々が幸せに暮らしていけるか否かの計算を行わなければなりません。
 定年までの主な支出項目は日常生活資金、冠婚葬祭、自動車、旅行、子供の教育資金、子供の結婚資金、各種保険料、預貯金などでしょうね。収入項目は給与、ボーナス(時には給与と同じ定義になります)、そのほかの収入などです。
 定年後の支出項目としての日常生活資金は定年前の資金の70から80%、病気、怪我などに関する支出、葬式費用、旅行費用などが考えられます。一方、収入項目としては、公的年金、個人年金資金、生命保険、そのほか退職後に事業などを行えば、その事業収入などがあります。

 つまり、これが「一生の計は定年にあり」ということなんだと思います。常日頃は、目の前の収支に心を奪われがちですが、立ち止まって一生涯の数字を予測し、書き出して生涯収支をつくってみましょう。今まで漠然としていた将来の生活が目の前に見えてくるはずです。
 余談になりますが、自己啓発の本などを読んで、自己実現している人の共通している点というのは「私はできる」「○○の目標を達成する」という決意の二点のようです。つまり信じることと具体的な目的意識ですね。
 「一生の計」も多少自分の理想の上の計画を立てることで、定年後の未来がガラリと変わるかもしれません(笑)。
 

 

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