2004/8/22
値動きのパターンを市場参加者の有無で探る
日経平均株価も12000円をつけたと思うと、すぐ下がってしまいました。今年の5月は今のところの年初来高値ですが、丸一年さかのぼって去年の5月は8000円割れの歴史的大底ですから、たった一年で4000円上がったということより、同じ5月でなんでそのときの高値安値の周期が違うのか?ということに着目したいですね。
株がトレンドを大転換して、今度は数年ベースの上昇相場に変わったことは、ある程度確信がもてるレベルになりましたけど、とはいえ一年間の中でもかなり相場の上げ下げの周期は3ヶ月前後おきにやってきますから、そういった部分の周期性を知ることだったりとか、パターンを把握することというのは非常に大事だったりすると思います。
話は変わりますが、テクニカル分析は「歴史は繰り返す」という考え方が基本になっています。しかし、「どんな銘柄でも同じ精度で歴史が繰り返されるのか」と聞かれれば、その答えはノーです。
過去との類似パターンを多く付けているものもあれば、チャートパターンなど当てはまらない銘柄もあります。当然テクニカル分析では前者のほうが予想や売買サインの精度が高くなりますよね。
では、テクニカル分析の精度の高い銘柄をどのように見分ければいいのか? これは、長い期間のチャートで過去の経験則の当てはまりがいいかどうかを調べるというのが一番ですが、もっと簡単な方法もあります。出来高をみればいいんです。
出来高が多く、注目している市場参加者の人数が多い銘柄は、極端に人気のない銘柄よりもはっきりとしたパターンが存在しています。これはたくさんのチャートを比較すれば、一目瞭然です。
このことについて、僕なりに勝手な解釈を加えるなら、集団が大きくなると、個々の習性が目立たなくなるということだと思います。
株や商品の投資の仕方には、個々の性格がでてきます。安定株ばかりへ投資する人もいれば、仕手銘柄しか狙わない人もいる。売買や手仕舞いのポイントに逆張りのサインを使う人もいれば、順張りの売買サインばかりを信用している人もいるはずです。自分の作ったシステムしか信じない人もいます。皆さんは自分がどういうタイプか理解しているでしょうか?
結局、大集団の中での個性を持った勝てる投資家は全体の少数派であり、全体は共通の認識の中で動かされているということです。共通の認識とは、「よく知られている値動きのパターン」「目標値」「銘柄ごとの過去の経験則」で、それらが当てになるということである。
これは逆に言うと、投資の素人は、人気化している銘柄を中心に狙えば、勝てる可能性があるとも言えるかもしれません。
日本での注目度ナンバー1銘柄といえば、日経平均株価です。日経平均には4月と11月に上昇しやすく、9月に下げやすいという季節習性があるのですが(詳しくはまたいつか書きます)、さらに詳しくチャートを見ると、株価は値幅や日柄にも特徴があります。
例えば、(チャートが用意できる人はみてみてください)2002年5月以降の日足では、2002年5月27日〜2003年4月28日までの下降局面の値幅のパターンを調べると、2002年5月27日〜10月10日が1600円前後下げて、900円前後上がるパターン、12月3日〜2003年4月28日までが900前後下げて、600円前後上げるパターンになっています。
あえて紹介はしませんが、その他にもさまざまな共通点が見つけられます。2003年4月下旬以降の上昇途中のそれぞれの戻り高値を見ると、5月13日の高値は、安値から735円上げた地点で、上昇途中の自律反発なら、この辺りで上値を抑えられるだろうという水準(以前の変動幅の600円前後、700円前後、900円前後、1600円前後が目安)になっています。また6月18日の高値9189円は、安値から1600円前後上げた地点です。ここは下降の流れが変化した地点にもなっていて、上値を抑えられやすいポイントになっています。7月10日の高値1万70円は、2002年5月下旬以降の下げ幅の50%戻し近辺に位置しています。
このように1年程度の期間でもたくさんの共通点があり、一般的に目標とできる水準では、価格が素直に反応しています。
他にも個別銘柄なら、株式市場で常に注目されてきた銘柄の代表といえば、NTTになると思いますが、NTTは市場参加者の幅が広く、出来高も多いので、やはりチャート中に共通する値動きがたくさんあり、一般的なテクニカル分析のパターンも当てになります。
もちろん、個人でやられている投資家の方にはテクニカルを一切当てにせず、割安銘柄のみを求めて相場をやるかたもいるので、そういう方たちにとって参考になる話ではないのですが、今回のことがよく理解されると、「アンチテクニカル派」の存在が本当は意味がないということがわかってくるはずです。
なぜならテクニカル分析が有効に左右する状況とそうじゃない状況、もしくはファンダメンタル分析のみで投資をやることのメリットとデメリット、そういったものというのは、すべてそのときに相場の状況によって違うからです。僕はそういった見極めのうまい人のことを投資における「センスのある人」と認識していますが、根本的には「アンチ○○派」というのは非常に投資のことがわかっていない人のセリフだと思いますね。