2004/6/6
不動産投資信託とワンルームマンション投資
正直に言ってしまうと、あんまり僕は不動産投資に詳しくないんですよね。ただ、土日に配達される新聞の朝刊を見ると、折り込み広告が本当に多いです。そして各種雑誌での特集、あるいは電話による営業の直接攻撃で、何かと見聞きすることが多くなったきたのがワンルームマンション投資です。広告などに記載された予想利回りの数字を見る限りにおいては、この超低金利下において、きわめて有利な投資対象であるかのようにみえます。しかし、本当に有利なのか?そこらへんの検証を今回はしたいと思います。
個人的には、マンションは「住むから買う」という発想でいいと思ってるんですよね。売却してその資産を増やそう、あるいは値崩れしないようにうまく売りたいとかそういう『運用』という観点からやるのであれば、金額も大きいしポートフォリオには組みにくい。そんな風に思っているんです。ただ、株もやって債券もやって地金も持ってて、それでプラスアルファとして分散投資をしたい、というニーズが仮にあったならば運用としての不動産投資はうまくいくかもしれない、そんな風にも思っています。
大体、不動産価格がうなぎ昇りで上昇したバブル期ならともかく、今の環境下では、ワンルームマンション投資にはそんなに妙味を見出せないです。不動産投資の怖いところは、流動性が期待できないことですが、今日の資金繰りが苦しいから売ろうと思っても、それは無理な相談ですよね。買い手を見つけるには相当の時間がかかることを覚悟していなければなりません。
またバブル期のように、右肩上がりで不動産市況が上昇しているときならともかく、第三者に譲渡する時点で中古物件の扱いになるため、売却時の物件価格が購入時に比べて大幅に下落している恐れもあります。日々、価格形成が行われるマーケットが存在していないため、フタを開けて見なければ(売却の条件を聞いてみなければ)、自分の資産価値がいかに傷ついているのかがわからないんです。「投資」とか「運用」という観点から立つと、これだけでも素人にはリスク商品になると思います。
あと利回り表示の問題もあります。かつて、このようなワンルームマンション投資の広告を見たことがあります。そこには、年4.49%の利回り表示がされていましたが、その前提条件は、次のようなものです。
「購入物件の価格が1428万3000円。これを第三者に賃貸することによって、月額5万3550円(年間64万2600円)の賃貸収入が得られる。1428
万3000円を投下して、年間64万2600円のリターンだから、利回りは年4.49%」。
これは一括払いで買えるのであれば、確かにそのとおりですが、ワンルームマンション業者は、普通のサラリーマンも見込み客として考えています。サラリーマンにとって、1500万円近いお金を、そうやすやす支払うことは難しいでしょう。そのため、ローンを組んで買うことになるのでしょうが、そうなると今度は金利負担の問題が出てきます。
というのも、ワンルームマンション投資の場合、住宅金融公庫で融資を受けることができないため、銀行の変動金利型、あるいは短期固定金利型のローンを組むことになります。金利が本格的に上昇すれば、いくら月額5万3550円の家賃収入が入ってきても、支払利息のほうが軽く上回ってしまいます。
ビル1棟を丸ごと買える金持ちならともかく、サラリーマンにとってワンルームマンション投資は、いささか無理があります。それでもどうしても不動産投資をしてみたいというのであれば、20万〜60万程度の資金で投資できる不動産投資信託を買ったほうが、はるかに健全です。不動産投資信託であれば、ファンドそのものが株式市場に上場されているため、いつでも売却でき、かつ価格形成の透明性も高いという特徴があります。
流動性、価格の透明性、そして少額投資が可能であり、ローン負担もないことを考えると、単に不動産投資による投資効果を狙うのであれば、ワンルームマンションを買うより、不動産投資信託を買ったほうが、はるかにリスクを低く押さえることができるということですね。
まぁそうなってくると、今度は手数料の比較とかの話になってきて、比較対象が株とか債券とか商品との他商品に及ぶので、話がややっこしくなってしまいますが(笑)。