2004/5/23


バリュー型投資を使って優秀なファンドマネージャーになる



 最近の日経平均の動きをみてると、一回急落したあとにもかかわらず非常に不安定な動きをしておりますよね。よく投資において「様子を見る」という言葉があるのですが、この言葉は人によってだいぶ温度差がありますよね。
 例えば、僕にとっての「様子を見る」とは、ポジションを持たずに、そして持っていたとしても精算してしまってキャッシュポジション(現金化)にしてから様子を見るという意味なのですが、多くの人は上がるか下がるか予想が迷われているにもかかわらず、ポジションを持ちながら精算せずに「様子をみよう」という意味みたいです。
 ただ、これは当然どっちが正しいということではないですよね。むしろ「性格が出る」という種類のものです。結果はケースバイケースなわけですから。

 さて、今回は株のファンドマネージャーとして確実に成功する方法があるので、これを書きたいと思います。あえて「確実に儲ける方法」と書かないのは、やり方の性質の問題なんだけど、個人投資家にはどちらかというと向く方法のような気がしてるんで、参考にできる人は参考にしてみていただければと思います。
 株が上がる理由は大別して二つです。つまり、これから利益がぐんぐん増大する会社なら株価は上がるだろうし、業績が低迷する会社でもあるところまで株価が下がれば、悪材料出尽くしとなって割安といえます。前者を買う投資を「グロス型」、後者を買う投資を「バリュー型」投資と呼びます。

 まず、グロス型の投資を見てみましょう。今期の業績が前もってわかるとして、経常利益の伸び率の高い順に上から25%の会社を取り出します。東証一部に1200社あるとすると300社を抽出することになる。この会社群に均等に投資するとして、過去15年間の平均では年率10%、TOPIXよりも高いリターンを得ることができる。
 現実的には来年3月の業績は誰にもわからないから、グロス投資では予想数値を用いることになりますが、『四季報』の予想数値を使って上位25%の銘柄へ投資をすると、TOPIXよりもリターンが落ちてしまう。会社予想が当たらないからです。
例えば、一昨年、重電5社は期初に計1兆100億円の営業利益を予想しましたが、実際は4300億円の赤字でした。アナリスト予想を用いても大差はありません。
 では、バリュー型はどうかというと、PBR(株価純資産倍率)の低い順に25%の銘柄に投資をする方法を見てみましょう。毎月ポートフォリオを見直して、PBRの低いものに乗り換えていくんです。この結果、TOPIXよりも7%高いリターンを得ることができました。しかも、バリュー投資は前期末の1株あたりの純資産を基準とするから実行可能な投資です。

 こう見てくると、バリュー型投資のほうが断然いい、わけです。ラッセル野村インデックスのバリュー株、グロス株指数によると、1980年以来のグロス株が大幅に勝ったのは99年のIT(情報技術)相場の年だけで、全期間を平均するとバリュー株はグロス株を年率5%アウトパフォームしている。ここ22年間ではバリュー株のパフォーマンスはグロス株の3倍以上になっています。
 バリュー株が優れているというのは、実はプロの間では有名な話です。しかし、この方法で運用している人は多くないです。運用成績を見れば明らかです。年金資金運用資金が公表した受託先13社の過去三年間の運用成績を見ると、超過収益が年率7%に達した会社はなく、5%以上が2社、2〜3%が1社、0〜2%が5社、市場に勝てなかったのは5社でした。過半は2%未満の超過収益ということです。

 この手法は実行が難しいんです。例えば鉄や紙パルプでは2社が市場を事実上制覇しているといえますが、勝ち組はPBRが高い。したがって準大手以下の銘柄を選ぶことになります。しかし、長期的には弱小メーカーに勝ち目はなく、業績はますます大手と乖離する一方だから、こうした市場から忘れ去られた銘柄に投資するのは勇気がいる。また、今までは低PBR法が有効だったが、これからはだめかもしれない・・・と心配になる。その結果、安全が優先して優良株に集中してしまい、みんなが保有するポートフォリオは似たり寄ったりになってしまいます。

 さて、明日からファンドマネージャーをやれといわれたら、PBRの低い順に買うといいです。そうすれば半分以上のファンドマネージャーを追い抜くことは容易だから、誰でも優秀なファンドマネージャーになれます(笑)。ただし、割安な銘柄を買うということは、現時点での負け組みの会社に投資をすると言えなくもないから勇気はいりますよね。投資は難しいです。

 

 

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