2004/4/18

セレクト型ファンドの落日とそのリスク



 株が面白いように動いているときにファンドの話もないと思うのですが、もっと前に書こうと思っていて資料もそろえていたので、今回はファンドについて書きたいと思います。
 ただ、基本的には投資信託って商品自体が運用先としてオススメの商品じゃないだけに、金融界の資金の流れみたいものがこれによって見えればいいんじゃないかなって思います。

 MMFも含め、日本国内で設定・運用されている投資信託の本数は、年々減少傾向をたどっています。特に最近は、純資産残高の規模が小さいファンドを中心に、繰上げ償還が増えており、それがファンドの本数減少に一段と拍車をかけているんです。
 ところが中身を見ると、ファンドのタイプによって、増減の状況が大きく異なることがわかります。例えば、単位型は2002年1月時点の192本から、2004年1月には241本まで増加。理由は、リスク限定型ファンドが単位型で設定されるケースが多く、またこのタイプのファンドそのものが増えているからです。
 また、追加型の株式投資信託は、「セレクト型」を除けば、ほぼ横ばいで推移。ちなみに2002年1月の本数は1713本ですが、2004年1月は1741本で微増となっています。

 さて今回、注目したいのは「セレクト型」のファンドです。このファンドの本数が、ここ数年で激減しています。2002年1月時点の本数、530本に対して、2
004年1月の本数は、391本。しかも、2月には一気に50本を越えるセレクト型の満期償還、ならびに繰上げ償還があったので、さらにファンドの本数は減少しています。
 なぜ、セレクト型ファンドの本数が大幅に減っているのか?もちろん人気が低迷していることが一番の理由であるのは言うまでもありませんが、各ファンドの純資産残高を見るとわかりますが、10億円に満たないものも少なくありませんよね。
 追加型株式投資信託の場合、30億円が採算ラインと言われているのですが、そこから考えると10億円に満たない純資産残高のファンドは、投資信託会社にとって明らかな赤字要因。繰上げ償還候補になるのも当然です。

 では、なぜセレクト型ファンドの人気が、ここまで落ちてしまったのか?なんだか禅問答のようになってきましたけど、そもそもセレクト型ファンドとは、業種別、規模別、地域別というように、投資対象の異なる複数のファンドをひとまとめにしたもので、そのファンド間を自由に資金移動できます。例えば、業種別ファンドといえば、「エレクトロニクス」、「ヘルスケア」、「サービス」、「公共株」、「環境関連」など、各業種に関連する銘柄を組み入れて運用する複数のファンドがあり、それをひとまとめにして、「業種別セレクトファンド」などと称される。かなり個別株投資に近い性質を持っています。

 セレクト型ファンドの魅力とは、「投資信託」という器を理由することによって、個別株式投資の魅力を、少額資金で味わえるようにしたもの、と考えていいです。それは、確かにこの手のファンドが登場してきた80年代後半にはあてはまる図式でした。言うまでもなく、当時はバブルピークに向けて、株価が大きく値上がりしていたからです。つまり、個別銘柄に投資しようにも、すぐ200万円、300万円の資金が必要になってしまう。個別銘柄投資など、一般サラリーマン世帯にとっては夢のまた夢という状況だったんです。だからこそ「10万円の少額資金でできる擬似個別株投資」というセレクト型ファンドの商品性が、多くの個人投資家に受けたのではないでしょうか。

 しかし、今や株価が大幅に下がり、単元株取引をしても、それほど高額資金を必要としない。またネット証券会社を使えば自宅のパソコンで、簡単に株式の売買注文を出すことができる。何よりも、小うるさい営業担当者のセールス攻撃に遭わずに済む(笑)。
 こうなると、セレクト型ファンドを買うくらいなら、手軽にできるようになった個別銘柄投資の方が面白いのではないかという見方が、圧倒的になるはずです。結果的にセレクト型ファンドの人気は後退するありません。
 流れとしては、セレクト型ファンドは消え去る運命にあるみたいですよね。現時点で、純資産残高の少ないセレクト型ファンドを保有している人、あるいはこれから買おうとしている人は、繰上げ償還リスクがあることを前提にしておくべきだと思います。

 

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