2003/2/9

G7が終わって為替市場をどう見るか?



 僕は今年の初めからG7が終わったあとは為替は円高になると言っていたのですが、せっかくおとといG7が終わったばかりだったので少し検証してみたいと思います。
 今年の為替相場はかなり思ったとおりに動いてくれているのですが(G7前は為替動かないと思ってましたから)、根本的に僕は『為替は市場が決める』という原理原則に立っているので、どうしても今年の大統領選が終わるまでは大きな流れでの円安トレンドは形成されないと思っているんです。

 日本経済新聞日曜版の一面はG7に先立つ日米蔵相会談、それも「為替安定・日米が一致」という大見出しでした。これを見て、まず変に思ったのですが、会談は約三十分という短いものでしたし、ネットなどでは谷垣財務相が最近の円高・ドル安に懸念を表明し「投機的な動きには、しかるべき国がしかるべき対応をとるべきだ」と述べ、日本の円売り介入に理解を求めた、ということになっています。これは紙面と随分トーンが違いますよね。

 新聞もよく見てみれば、財務省同行筋が「あなたの見方に同意する」らしいことを記録したに過ぎないわけですから、つまりこの記事は財務省筋から情報を得たい日本経済新聞記者の「お返し」あるいは「情報操作」、もっといってしまえば「ヤラセ」に近いものなのではないかと邪推してしまいます。
 では、そうした会談を受けたG7はどうだったか。共同声明では「中期的に健全な財政政策が国際的な経常収支不均衡への取り組みにおける鍵になる」「我々は為替レートのさらなる柔軟性が、主要国の国・地域経済にとって国際金融システムにおいて市場メカニズムに基づき円滑かつ広範な調整を進めるために望ましいことを強調する」。経常不均衡と財政赤字=ドル安なのですが、それを結びつける新たな表現で、暗にアメリカの財政政策変更を要請した文章と取れなくもないですよね。
 「G7が米財政赤字への懸念を共有したと解釈されることを想定した文言」(会議同行筋)とありますが、後段の為替への言及は、日本の介入を批判し、米国の双子の赤字が解消されないならば「ドル安は進行してもかまわない」という風にとれてしまいます。

 また、欧州中央銀行(ECB)のトリシュ総裁は共同声明について「勝者ばかりで敗者はいない」といいます。ユーロ独歩高の展開の中で、ユーロ圏各国はユーロ高・ドル安を是正する表現の盛り込みを求めていました。そして声明には「為替レートの過度な変動」をけん制する文言が含まれました。これは欧州通貨独歩高を排除する「お墨付き」になるというというわけです。しかし、米国の代理人的存在のカナダ中銀総裁は「そのような動きはまだ起きていない」と言う。

 結論を言うと、介入の「お墨付き」を得たと信じる日本、ドル買い協調介入あるいは単独介入も可能とみなす欧州、「なんら変わっていない」=ドル安放任とも取れる米国。お互いに違う空を見て満足しているようです。
 いずれにしろ、相場は一つですからG7声明への回答は市場が出すわけですが、今の為替相場は「アメリカの意向」が最優先されていますから、なかなか為替も円安の方向には向きづらい雰囲気はありますよね。

 

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