2003/12/7
毎月分配型ファンドのメリット,デメリット
実は、前からファンドのことをネタにしたような簡単なコラムを書いてみたかったんですよね(笑)。と、いってもファンドについて、一から十まで全て書いたりはできませんので、今回は毎月分散型ファンドについて、気になったことを書きたいと思います。
「グローバル・ソブリン・オープン」というファンドをご存知ですか?特色として、世界主要先進国のソブリン債券(各国政府や政府機関が発行する債券の総称で、自国通貨建、外貨建があります。また、世界銀行やアジア開発銀行など国際機関が発行する債券もこれに含まれます)に分散投資して、リスク分散をはかって、長期的に安定した収益をめざす、というファンドです。そして、毎月ごとに、決算を行い、分配を行います。
このファンド、相変わらず高い人気を集めているんですよね。国際投信投資顧問が運用する 「グローバル・ソブリン・オープン(毎月決算型)」の純資産残高は、月末ベースでみると、6月末時点で2兆円の大台を突破しており、その後も順調に資金を集めて、11月18日時点では2兆2671億円となりました。
これだけの人気ぶりを示す毎月分配型ファンドですが、実際問題として保有者にとって、それほどメリットのある商品なのでしょうか?
確かに、この手のファンドの多くをみていくと、分配金については毎月、ほぼ一定金額が支払われています。しかし、投資信託は将来の収益を確約できるものではないので、分配金額がいつ減額されてもおかしくありません。
基本的に分配金の原資は、ファンドに組み入れられている債券の利金からもたらされていますが、昨今のように海外の長期金利が低下し、利率の低い債券組入比率が増えれば増えるほど、分配金の原資も少なくならざるを得ません。ましてや昨今の人気化によって、受益権口数は増加の一途をたどっていますので、このうえ利率の低い債券ばかりが組み入れられるようになると、受益権1口あたりの分配可能額は目減りせざる得なくなります。
そうなると、この手のファンドを「個人年金的に利用しましょう!」という売り口上がありますが、それもかなりあやしげなものになりますよね。おそらく毎月分配型ファンドを購入する個人の多くは、毎月一定金額の分配金を受け取れることに魅力を感じ、そこから個人年金的に利用しようというニーズにつながっていると思われるからです。
もっと言えば、「個人年金的に」という売り口上自体が、「ウソ」と言うしかない面もあります。仮に、毎月の分配金額が1万口あたり40円として、月々4万円の分配金を受け取ろうとしたら、1000万口分を購入しなければなりません(ちなみに「グローバル・ソブリン・オープン」の基準価格は11/26現在で7777円、分配金は一万口あたり40円です)。1万口あたりの基準価額が1万円であれば、単純に計算しても1000万円の資金が必要になります。
そこで、ここで考えるべきことは、「あなたの運用資産がいくらあるのか?」ということです。もし、2000万円の運用資産を持っている人が、為替リスクのある商品に1000万円もの資金を注ぎ込んでいいものでしょうか?そう考えると、「個人年金的に」という売り口上は、ある意味においてウソということになります。
これは運用環境の問題もあります。毎月分配型ファンドの多くは、デュレーションが5〜6年程度の債券を組み入れて運用するケースが多く、それだけ金利の変動に対して、債券価格が大きく動くことになります。仮に、大きく金利が上昇すれば、その分だけ、ファンドに組み入れられている債券の価格も下落。基準価額の値下がりリスクが高まってしまいます。
特に日本国内においては、人気の高いファンドがより良い運用実績を維持してくれるとは限らないという醒めた眼を持って、毎月分配型ファンドの購入を考えたほうがいいと思います。
ファンドに関して思うのは、その組み入れている銘柄などの性質をよく理解するということです。当たり前のことですが、いいファンドもたくさんあると思うので。