2003/12/4
ヘッジファンドの決算と日本の企業業績
11月17日に日経平均株価が急落し、これまでの上げ基調が一服しました。急落の背景には様々な要因があると思うのですが、6ヵ月半も上げた相場なだけに調整が入りやすい時期だった、ということでしょうね。
ただ、今まで上がっていた相場が下がってくると、一般の人々には「もっと下がってしまうのでは?」と、不安感も出てくるようで、最近仕事上で聞かれるお客様の関心事もほとんどが株式のことだったりします。
個人的には、長期的な上昇トレンドには変化がないと見ておりますが、今回はそのへんのところをまとめてみたいと思います。
今年一年振り返ると、株式市場はにわかに荒れ模様の展開でしたよね。日経平均株価はあっけなく一万円の大台をあっけなく割り込み、4月28日に7603円(ザラ場ベース)のバブル崩壊後の安値を付けたあと、10月21日には1万1238円の高値まで一気に急騰し、その上昇率は47.8%に達します。
しかも、円高が進行しており、ドルベースの日経平均株価はそれ以上に値上がりしている。要するに、外国人は儲かってるってことです。その外国人は4〜10月に約7兆3000億円買い越しています。外国人の中心はヘッジファンドです。ちなみに、ヘッジファンドは11月が決算になります。
加えて、そこにテロ組織アルカイダが『東京を攻撃する』とか、地銀処理(足利銀行に対する公的資金の投入)問題、大手投信(パトナム・インベストメント)の不正取引疑惑、ITミニバブル崩壊・・・といった悪材料が重なりました。つまり、11月の株価波乱は上げの反動であり、当然の動きとの見方もできるわけです。
従って、冒頭にも書きましたように、『上昇相場は終わった』との見解には賛同できない部分がありますね。確かに、日足のチャートは三尊天井を形成していますし、過去のケースでは2〜3ヶ月はもみ合います。しかし、今の投資家は勝負が速い。なにしろ、ディーラー、ネット・トレーダーが売買高の6〜7割を占める日もあります。
それだけに、見切りはすばやく整理は一瞬に済む。実際、11月中旬の下げは「追証発生→投げ」というより、「追証が出そう→早めに売っておこう」という投資家心理が招いたもの、と言われています。とすれば、12月に安いところがあれば、そこは絶好の買い場になってくるでしょう。
ちなみに、過去10年間、12月の値動きは上げ5回、下げ5回になっています。短期的には、波乱が予想されるものの、中・長期的には何も問題はありません。株式投資において大切なのは、現状を正しく認識することだと思います。
そのための手段として、テクニカル・アプローチ、ファンダメンタルズ・アプローチ、ジャッジメンタル・アプローチがあるのですが、テクニカルの短期的な視点は「売り」ですけど、中長期的には「買い」を示唆しています。ファンダメンタルズは日米ともに、好調。アメリカの7〜9月期の実質GDP成長率は7.2%(前期比年率)と高い伸びを記録しました。クリスマス商戦も出足快調とのことです。
一方、日本の実質GDP成長率は4〜6月期が3.5%、7〜9月期が2.2%と順調です。7期連続のプラスでもあります。10〜12月期は景気の先行指標から判断すると7〜8%の成長になる、と言われています。ファンダメンタルズが良好なのに、株価が大きく崩れることはないと思います。
日本の場合、地銀処理の行方も影を投げかけてますよね。ただ、これに関しては、今回の処置だったら、それほど株価にとってマイナスに働かないと思っています(詳しく書くと長くなるのでやめますが)。
だから、金融システム不安の再燃は考えにくいのではないか、ということですね。不良債権処理もヤマ場を超えたと思いますし、企業は必死のリストラ、経営革新を断行しています。PDDテレビ、DVDレコーダー、デジタルカメラなどのヒットもあります。アジア需要の爆発も考えるとなれば、これを受けて企業業績が好調なのもうなづける話ですよね。
投資価値の源泉は企業業績だと思います。それが好調な限り、株高基調はまだ続きます。それに、欧米を含め、日本もそうですが、金融当局の基本政策はデフレ政策です。これに備えるには「実物投資」しかありません。すなわち、株式とか商品投資になりますよね。
そういった思惑はともかくとして、株価に関しては来年の大統領選の半年前までは上がるとみています。もちろん短期的な調整安などそこらへんは考えなければなりませんでしょうけど。ちなみに今月であれば、チャートの日柄の計算のみであれば、20日前後までは安くなる可能性があるので、もしも月内で安いところがあれば、株は良い買い物ができるのではないでしょうか。