2003/11/1

株式は短期売買と長期保有のどちらが有利なのか?

 

 株価が上昇局面に入り、再び個人の間で株式投資を中心に資産運用の熱が高まってきているように思えます。国内株式市場の売買シェアでも、個人が外国人投資家を追い抜き、外貨預金も人気が高まってきました。しかし、何事も「基本」が大事ですよね。マスコミが騒いでいるからって、それに流されて投資対象を決めるほど、危険なことはありません。そこには冷静になって相場を見る「目」というのが大切になってくると思います。

 今の時期によく聞かれるのは「そろそろ株式投資を始めるにはいい環境になってきたんじゃないですか?」というものですね。これはまぁいい環境というか、モノの考え方からいうと、本当は日経平均が8000円とか7000円の水準で、株価がふらふらしている時の方が、いい環境であると言えなくもないですから、今の環境が良いかどうかというのは、簡単には即答しにくいものがあります。ただ、そのような時を、いい環境と思えるようであれば、その人はすごい株式名人ってことですから、それはそれで投資とか相場というものの難しさを表してますよね。(笑)

 さて、この問いに対しては、今は徐々に景気が回復してきていますし、これによって企業業績がよくなってきています。もちろん、これはどちらかというとコストカットで良くなってきた面もありますが、さらに設備投資にも向かってきている。このように、オーソドックスな景気回復になってきていますから、株価の上昇に対して、ちゃんと実体もついてきているということなんだろうと思いますね。
 ですから、株価が上がったから、今から買うのは遅いということではないと思います。株価のレベルはどうかというと、だいたい東証一部市場のPERが平均で22〜23倍ですから、もし利益を全部配当するとしたら、利回りとして5%弱。したがって、これで減益にならないということであれば、まあまあの株価水準じゃないでしょうか?割安というほどでもなければ、高すぎるほどでもない。いつが一番良いタイミングか?というのは、プロの人がやればいいことなので、ちょっと脇に置いておくとして、今は比較的、精神的にも入りやすいし、客観的な状況としてもそう悪くない。今から始めるにはまぁまずまずいいんじゃないかってことです。

 ただ、基本的に投資のスタンスというのは、はっきりさせる必要があるんじゃないかなって思います。例えば最近、投資関係の個人サイトとかもすごい増えてきていると思うのですが、そういうサイトを見ていると、やはり率直に思うことは「デイトレーダーが増えている」ということなんですよね。そこで命題として出てくるのは「株式は短期売買と長期保有のどちらが有利なのか?」ということなんですけど、これは結論言ってしまうと、株式を長期で持つ、いわば資産形成のための株式投資と、ゲームとしてのデイトレードは分けて考えるべき、ということです。
 やはり全体の平均で考えると、売ったり買ったりしてコストがかかる分だけ、パフォーマンスが沈むわけですから、短期で売り買いするのは不利だという見方はできると思います。ただ、短期的に買い時と売り時というものが存在する以上、それがデイトレードという形で高収益を出せる場面であれば、それはそれでよしとする考え方ですよね。ですから、戦略としてのデイトレードを僕は過小評価していません。
 ただ、ベースとしての資産運用は、そんなにしょっちゅう銘柄を入れ替えなければならないものでもありませんし、しょっちゅう入れ替えなければならないようであれば、もともとポートフォリオの作り方が悪いということです。
 例えば、デイトレードの場合、すぐ損切りしなければならないということがあるのですが、それと長期投資を混同してはいけないということですね。仮に3割上がったら売る、2割下がったら損切りするというように、あらかじめ利益と損失のリミットを決めておこうなどという人がデイトレードではいますが、それを長期投資には当てはめられないということです。
 本当に2割下がるには、2割下がるだけの理由があって下がったのだから、それはその価格で判断すればいいわけです。長期投資はデイトレードと違うんだということで、両者を分けて考えたほうがいいですね。

 個人の人が投資をする上で、いろいろな点で注意事項ってあると思うのですが、結局最終的には「リスク管理」という部分に落ち着いちゃうんですよね。年間損してもいいと思える額が50万円なのか、それとも100万円なのかを把握すること。そこに収まるように、投資の金額をコントロールすること。それが大事なんですね。
 なんだか「リスク」「リスク」・・・・・って呪文のように唱えていくと、結局はそこらへんの投資雑誌に書いてあることと全然変わらなくなっちゃうんだけど、突き詰めてしまうと、投資って「お金を使ってお金を儲ける」ってことだから、『お金』のリスク管理に言及しないわけにいかないんですよね。投資はやはり難しい(笑)。

 

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