2003/10/4

日本の株が買われている理由と為替事情


 
 個人的に思うのは、「株式評論家」と名前がつく人たちはすごいなぁということです。毎日あるいは毎週、どこかしらのセミナーに行って講演しては「明日のオススメ銘柄はコレです」とかやってるんですよね?ましてや、雑誌とかでも「今週の株式相場の見通し」とかもやってるんですよね?とても僕にはできないことです(^^;)。

 でも、これ嫌味をいってるわけじゃなくて、相場って休む時期(時機?)も必要だと思ってますから、どんな相場であろうが、「上がる株はこれだ!」って推奨できるってすごいことだと思うんですよね。株がひたすら下がっていたときには外れまくってたんでしょうけど。 

 今、株って話題になりやすいと思うんですよね。国内の株式市場は堅調に推移しているわけですから、これで話題にならないわけがないです。その証拠に投資関係の雑誌も「まだまだ上がる株を教えます」的な特集がすごい多いですよね。相場が悪いときには、ファンドとか外貨預金とか銀行預金の特集が多かったのに(笑)。

 9月に入り、急速に進んだ円高の影響もあり、一時的に日経平均も急落しましたが、出来高は相変わらず多いし、外国人投資家も活発な買いを入れています。おとといの新聞にも、外国人の買いが6割とか7割とか踊ってましたけど、外国よりも日本のほうがよければ、まだまだ買われるはずですよね。

 では、もう株は底打ちして上昇場面に入ったのか?これはテクニカルでみても、ファンダメンタルでみても、僕はそう見てるのですが、相場が上がるとか下がるとか以前に、僕にはどうも日本の投資家、特に機関投資家の行動が理解できないんです。

 というのは、外国人が今買っている。だから買おうかというケースが多いのですが、実際のところ日本の機関投資家はほとんど買っていないんです(量的に言いますと)。どうしようかとウロウロするばかりで、結局は出遅れています。だから、仮に今の株価がちょっとでも下がったら、やっぱり日本株は買わない方が良いということで、買うことを止めてしまいます。

 ようは主体性があまりないんですよね。こうしてみると、全然個人投資家の方が今の相場に積極的ですから、急落するリスクにドキドキしながらも、楽しんで株式投資をしているように思えます。

 日本は今だんだんと変わってきてると思いますよ。阪神も優勝しましたし、何かが起こる気がします(笑)。阪神は18年ぶりの優勝ですけど、18年前の1985年に何があったかと言えば、プラザ合意があったわけですし、それはそれでかなり劇的ですよね。他にもNTTの民営化もありましたし、そう考えると阪神が優勝したから今年は何かあるような気にさせます(笑)。

 今年だって、すでにりそなが国有化もどきの公的資金を注入されたわけですし、イラク戦争だってあった。他にも今年に大きな地震が関東を直撃するという噂があるくらいですから、まだまだ何かありそうですよね。

 ちょうど東西冷戦構造で日本の役割が終わったように、今度は逆に国際紛争・緊張の時代が訪れようとしています。日本とアメリカの関係も、日米安保条約は軍事・政治・経済の連携を謳っています。前は軍事だけだったのに、それが経済・政治の連携も謳ってきているということです。逆に言うと、こういうときに株が売られるわけがないんですよね(笑)。

 では、アメリカでは、どうか?これは為替の問題になってきますが、2003年会計年度、これは先月終わりました。大体10月から翌年9月までが会計年度ですから、それでみると、今年9月までの財政赤字は4010億ドルの予想です。そして、これについこの前イラク復興のため9兆円規模の予算を組みました。これがそのまま加算されます。ですから、間違いなく4000億ドルを超える赤字になります。ちなみに、これまでの最高は1992年の2904億ドルです。これをはるかに超える形になります。2004年度会計になるともっとひどいです。今のところで4800億ドルの赤字、これに900億ドルが加わり、つまり6000億ドル近い赤字になります。要するに二年間で一兆ドルを超える赤字になるということです。

 こういうアメリカのドルを買えますか?間違いなく買えないですよね。ドル債でさえ買えない。こういうことになります。ドルは大暴落する危険性があるということです。 

 先月行われたG7では、人民元の切り上げの問題がありますから、日本の介入はけしからんと言ってましたが(厳密にはG7前だけど)、アメリカは国債の4割を海外に依存しているんです。日本が今年で為替介入をし、円を売ってドルを買いましたが、その額は約10兆円以上で、その買いがアメリカの債券を支えてます。金利の上昇を抑えてるんです。そして金利の上昇を抑えてるってことは、それがアメリカの株を下支えしてるんです。「日本がドルが暴落しても知ったことじゃありませんよ、腹くくって放ったらかしにします」って言った途端、おそらくドルは暴落する。金は一斉に逃げる。そうするとアメリカは大パニックですから、金利が上昇します。

 1982年にだって、公定歩合が13%になった事実があるんです。そのときどうなったかというと、株は776ドルまで行ったんです。776ドルですよ?(笑)。ただのニューヨークダウが。今いくらか考えたら9600ドルしてて、1万ドルに届こうかっていう状況ですよね。ですから、その怖さがあるんです。ドルの暴落の怖さがあるから、アメリカは介入は絶対にダメと言いながら、過度の円高場面では日本の介入を容認してるんですよね。

 アメリカは日本が介入でドルを買うということは、それは全部ドル債に変わってアメリカに流れていくということですから、アメリカの資金不足を日本が補ってるということを知ってるんです。為替は円高でどんどん放置すれば、日本経済がおかしくなる可能性もありますから、それは阻止するでしょうけど、基本的にアメリカは、介入していってドルを支えても基本的にはドル不安というか、ユーロも通貨も下げたいんです。要するにユーロ安にしたいということですよね。ユーロはボロボロですから、アメリカもドルを安くしたいんです。通貨切下げ競争みたいなものです。その狭間で、いわゆる人民元が標的にされて、ついでに円にきてる。こういうことなんですけど、それが表立って出てくれば、ドルとユーロを持ってる人は通貨安で資産が目減りします。だから、資金の大移動の危険性があるんですよね。

 だって、それを見ている人がいるとするなら、お金を何が何でも円に移せ、という感じになるでしょうし、円を移して国債を通常は買うところですけど、国債は暴落の懸念がありますから、今は何が何でも株を買え、という流れになります。自分たちで買ったドルを円に変えてるわけですから、為替が円高に振れることで、自分たちのお金の流れが分かりますから、だからそういう動きがある間は、基本的にトレンドは継続するってことからすれば、株は下がらないんです。

 お金というものを考えたとき、日本は円が強いんですから、世界のお金が日本へ流れ込んできてるからいいんですけど、アメリカ人にとってもヨーロッパ人にとっても、お金が1番ハイリスクなんだと思います。お金の価値が減価するんですから。だから物に変えてるんです。

 今、金(きん)が大局的に見て非常に強いですよね?金がなぜ強いかというと、要するに、時代の流れがカネより物なんです。カネより物に動いているから、金が買われているわけです。

 そして、これはアメリカ人でもヨーロッパ人でもお金持ちほどそういう危機感(通貨暴落)がある。この場合、もちろん株でもいいのですが、その一部の資金がリスクヘッジ的に金に流れてきている。こういうことですよね。

 金投資自体は個人的には、一番堅い投資だと思ってますけど、株もやはり良いと思いますね。理屈からいけば、まだまだ上がります。ただ、短期的な売買ということでしたら、多少の銘柄選定は必要でしょうけど。

 

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