2003/9/23
景気・株価の見通しと銀行株について
  
 

前回のコラムを書いてから、約一週間後の今日、予想以上に早いペースで為替が円高にいきました。22日の東京外国為替市場で円は一時、1ドル=111円37銭と先週末より4円近く急騰しましたが、これは二年九ヶ月ぶりの円高・ドル安になります。今、為替に限らず、株式市場もよく動いていますが、今回は少しいろいろと整理して考えたいと思いました。

その過程で、僕は最近銀行株を個人的に売買をしたのですが、今個人的に考えている銀行株の展望についても、書ければと思います。

 

まず、ひとことで言って、株式市場の方は非常に元気ですよね。僕は日経平均株価が昨年の5月23日に11979円というのがありますけど、これを射程圏に捉えています。そして、これを捉えた後、次の段階として2001年5月7日の14529円です。

この5月7日はちょうど小泉純一郎首相が就任されたのが4月26日ですから、その後衆議院において所信表明演説をされた時の高値になります。くしくも「構造改革なくして景気回復なし」と高らかに宣言されたこの日が高値になっていますから、そこから今年4月28日の7607円まで、半値になったわけですけど、この逆コースをたどってくる、ということです。

これって楽観的すぎるでしょうか?(笑)

 

株をやっている人であれば、日経平均のチャートをみたことはあると思いますけど、これを今「日足」と「週足」でみてもらうと、日足でいくともう5割も一気に上がっているんですよね。7607円から11000円まで、大雑把にいって5割急騰しました。乖離率からいっても目先的には調整が必要なところだと、やや加熱ゾーンに入っております。ひとことで言って「とてもじゃないけど怖くて買えないよ」と言ったところでしょうか(笑)。

ただ、これを週足でみるとどうなるかというと、意外と過熱感がないんですよね。これはトレンドが明らかに転換してきているということです。森政権が誕生した直後の高値が2000年4月12日の20833円なのですが、言うなれば、そのあとの株価の低迷ぶりを株価だけで言ってしまうと、森さんと小泉さんがボロボロにしたということですよね。そして、そのボロボロにした逆コースを今度は3年かけて下げた相場ということで、2006年9月まで、順調にいけば、つまり何もアクシデントがなければ元に戻るのではないかと考えます。ちょうど三年です。

そして、相場が20833円まで戻ったときに、全値戻しになりますから、当然そこまできた時に下降トレンドは終焉し、そして今度は90年の暴落以来のもみ合い相場、要するにボックスゾーンの高値が96年6月26日に22666円というのがあります。そこにチャレンジするわけですね。

まぁ、そんな夢みたいなことはいいから、とりあえずは「12000円いってくれ!」って心境なんでしょうけど、結局何が言いたいのかっていうと、目先的に一服して下がるにしても、この相場は非常に強い、ということです。目先の短期的な上げ下げについては、そのつど言及する必要はあるんでしょうけど、長期的にはトレンドは大きく変わった。そう見てるということです。

 

りそなホールディングスに対する株主責任と問わない形での公的資金の注入。結局は、これによって流れは劇的に変わってきた、そんな気がします。だけど、これって、1つは竹中平蔵さんが大人になった、と言ってもいいかもしれませんよね。

「銀行を叩き潰す」って、そもそも銀行を好きな人はいませんから(金貸しは昔から憎まれ役になることになってるから)、そういう発想って頭では浮かぶものなんだけど、その感情で銀行を叩き潰してきたのがこのバブル崩壊後の行政でした。

だから、拓銀も潰した、長銀も潰した、日債銀も潰した、阪和銀行も潰した、東京相和銀行も潰した。何でもかんでも潰していました。しかしそれによって、関連的に引きずられるように倒産した企業が、97年以降2000社を超えています。大きなところでは第一ホテルもそうですし、ファーストクレジットもそうです。そして、その2000社が潰れて、その負債総額が24兆円にもなってしまいました。

銀行を叩き潰すということは、その時は気持ちがいいんでしょうけど、そのツケはものすごい大きなものになって跳ね返ってくる。だから、感情で政治をやってもらっては困るんです。

だけど、それがやっと気がついた(頭が良くなった)。りそなホールディングスを潰さなかったんであれば、みずほフィナンシャルグループを潰すこともない。こういうことになればみずほFGも上がるでしょう。そういうことで、今銀行株は高い、というわけです。

 

さて、個人的にはまだ銀行株はかなり上がると見ています(目先は安いというのが前提ですが)。というより、期待もしてます(笑)。特に、自分が口座を持っているからではないのですが、みずほFGに注目しています。そして、また下がったところを買うつもりですから、どうせなら一度大きく下がってもらいたいです。

みずほFGは4月28日は58300円ですが、何でそんなに下がったんでしょうか?上場来の高値は96万4000円です。しかし96万4000円から58300円に下がったわけじゃないんです。

例えば、第一勧業銀行、富士銀行、日本興業銀行は89年に6740円の高値があります。そして1000株取引です。ということは6740円で日本興業銀行を1000株持ってた人ってのは674万円を投資して、それがいつの間にやら勝手に向こうの都合で1株になってる。「はい、あなたの株は1株です」と言われて4月28日は58300円と100分の1以下になってしまいました。1%です。

先日も興銀から証券会社の社長で来てる人は山ほどいるんですけど(ここだけの話、新光証券の社長もそうだし丸和証券の社長もそうです)、そういう人に「いいですね。みずほの株が上がってますね!」とわざとイヤミ言ったら、「すいません。冗談はそのくらいにしてくださいよ」と言われました。

でも確かにそうですよね。持ってる株が100分の1になったわけですから。興銀の株を5000円だとか6000円で買ってるとすると、100分の1になったやつがやっと5%になったところですよね。まだ95%も足りないわけです。

だけど、そういう株なわけですから、そういう意味ではまだまだこの株は高くてもいいわけです。まだ、たった5%なんですから。それが58300円・・・なにがどうなったのかわかりません、という感じですよね。

 

回りくどい言い方かもしれないのですが、銀行株って怖いですよね。潰れるリスクまで考えたら、そんなに積極的に勧めて大丈夫なのかという気がしてしまいます。だけど、どうも理屈から言うと、上がらないのがおかしいとさえ僕には思えてしまうんです。

みずほFGの総資産は134兆円です。134兆円ですよ?イメージ湧くかわかりませんが、世界最大の銀行なんです。元々は日本興業銀行と第一勧業銀行と富士銀行が一緒になったんですから、それで134兆円のお金を運用してるんですよ?

134兆円で商売やらせてもらえたら、すごいやりがいありそうですが、でも実際今はみずほは赤字ですけど、頭の良い人が経営したのであれば、営業利益、本業の儲けが1兆円とか2兆円とかって話じゃなくて、もっともっと出せると思います。

そして、実際頭の良い人がいるわけです。東大出で数字に強く学問が出来る。もちろん頭が良いということと仕事が出来るということは簡単にイコールでは結べないと思いますが、少なくともそういった人材を使いこなせる人が経営をやればたちまち良くなりますよね。

そういう意味では、みずほFGの経営をきちっとやれば、少なくとも2005年の3月期では経常利益が今の予想では5500億円ですけれども、うまくやれば、1兆円出ます。間違いなく。

でも、これって大事なことなんです。1兆円以上経常利益を稼ぐ会社は日本に2社しかないんです。実質NTTはNTTドコモが稼いでいるんですから、NTTをはずせば、NTTドコモとトヨタ自動車しか日本では経常利益を1兆円稼ぐ会社はないんです。そこで、このNTTドコモの時価総額は15兆円です。トヨタ自動車が14兆円です。要するに1兆円稼ぐ会社は時価総額が14兆とか15兆だということです。

ちなみに、みずほFGは1兆円稼ぐ力があります。だって総資産134兆円ですから、転がしたって1兆円稼げますよね?きちっとやれば。そして、やれるはずです(これが楽観的なのか?!)。

となると、NTTドコモ並の15兆円の時価総額になってもいいわけです(今は3兆円ですから)。今の株価が仮に20万、24万円してますけど、わかりやすく20万になるとすると、100万。となると、96万4000円という上場来の高値を抜くこともありうる、ということになります。

ただ、目先的には売りだとみています。要するに多少加熱してますから、目先は休むでしょうということです。だけど、また20万を割るようなところがあれば、5倍になる、ということで買っていってもいいんじゃないでしょうか。(というより、自分にそう言い聞かせてるとこあるけど・笑)

 

そもそも、そういう流れが変わってきた気がするんですよね。現実に地価は、路線価は11年連続でマイナスです。11年連続でマイナス6.2でした。だけど、銀座の路線価は3年連続で上昇ですから、もう都心部の土地は上昇に転じている。それから、7月の都心部のオフィスビルの空室率が21ヶ月ぶりに低下に転じました。

そして、あのゴールドマン・サックスが日本のデフレは2年以内に終焉するという、レポートを出しました。デフレが終焉する。そして、モルガン・スタンレーが「Buy Japan」という見出しで、グローバル・アセット・アロケーションというレポートを出しました。つまり「日本を買え」ですね。日本株の組み入れ比率を増やせというのを、要するにモルガン・スタンレーが主張している、こういうことです。

それだけでも、ガラッと世の中が変わった気がしませんか?で、変わったのはなぜか?別に小泉さんが変えたわけじゃないですよね?民間の自助努力です。

 

まぁ、僕は基本的にデフレから脱出するということになれば、デフレに痛めつけられた総資産が大きいという理由だけで急落したみずほが戻ると、こういう風に主張しているんですけど、それは当然野村ホールディングスであるとか、それから大和證券グループ本社、こういうものでも戻ってくる、こういうことになります。

ですから、短絡的に1番図体がでかくて、要するにデフレで痛めつけられた会社が戻ると、こういうことですよね。資産が大きい。土地をたくさん持ってる。株を持ってる、だから売られた。それが戻ってくる。この代表格がみずほフィナンシャルグループではないかなぁというわけです。そのことを考えれば、58300円っていうのは下に陥没した値段です。もう忘れたほうがいいでしょう。

ただ、荒唐無稽なことを言っているつもりもないんですよね。株価が本格的に日経平均20000円台の回復というシナリオを考えると、こういう現象が起こってこないと無理だということです。

 

そういう意味では、デフレ脱却。ありえると思いますよ。ただ、デフレ終焉といっても、なんでもかんでもデフレが終わるってわけではないでしょうが、「デフレそりゃデフレは無理ですよ」と言う人がいますけど、デフレというものは、そのデフレの存在に気づくまでの年限と、脱出するまでの年限が、イコールです(この表現を使ったのは僕ではなくて、あるエコノミストなんですけど)。

デフレに気がついたのが1997年〜98年あの金融システム不安が起こって、デフレは大変だということになりました。大体バブル崩壊後90年から、7〜8年経ってる。で、その同じ期間かかるということは、2004年から、大体2006年にかけてデフレから脱却してくる。

そうすると、大体モルガン・スタンレーの予測の2年というものがその中に入ってきます。ですからモルガン・スタンレーがまさかそういうことでやってるわけではないでしょうけど、デフレというものは、気づくまでの年限と、脱出するまでの年限がいずれもイコールになってくる、それが2004年〜06年という、そこに入ってくるということですから、デフレはやはりもう脱出する、それが東京都心部の、銀座の土地の3年連続上昇であり、オフィスビルの空室率の低下、そういうところに見え隠れして、ここでの株価の急騰、ということですよね。

 

さて、その日本の株は外国人が猛烈に買っています。外国人が株を買ってる理由として、テクニカル的な問題、そしてファンダメンタル的に日本の景気が、良くなっていることが挙げられます。

4−6月の日本のGDP成長率は3.9ですが、6期連続のプラスです。アメリカは同時期3.1ですから、3期連続でアメリカよりも日本のほうが景気はいいんです。伸び率は高いんです。

例えばドイツは2期連続でマイナス、フランスもマイナス、韓国もマイナス、ユーロ全体もマイナス、日本は世界で1番いいんですよね、実際は。株価もここ1年で見ると1番値上がりしてる。4〜9月の5ヶ月で50%近く上がってるんですから。それだけ上がってる。だから慌てて買ってるんです。

 

 とにかく、今は今までのものから劇的に変わってきてるんだと思います。そういう変わってきているところを、トレンドで捉えている人は、やっぱり日本は変わってきたと納得いただけると思うんですけど、そうじゃない人には、どうもこの今の転換は読めないみたいです。

 今回、書いたコラムはある意味楽観的な内容だったかもしれませんけど、短期的な相場観はシビアに、長期的な展望は前向きに考えてもいいんじゃないでしょうか。株式投資なんて夢に賭けてるとこもあると思いますし(笑)。

 

 追伸。

 今の時間は9月23日のAM4:05なんですけど、本当は為替のことを書こうと思って(前回のコラムと逆です、すいません)、書き始めたんですけど、結局自己満足の株話で終わってしまいました。相変わらず文章力のなさを感じますね(笑)。

 今回のは、本当に手元になんにも資料もなしに書いてるんで、株価の数字やGDPの数字などで間違いなどあったら教えてくれると助かります。たぶん大丈夫だと思いますが、かなり眠気と戦いながら書いてたし・・・・。

 

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