2003/9/10移動平均線とテクニカル分析の考え方
明日で9月11日のテロから二年目です。そのせいではないにせよ、よく株価が動きます。上がるにせよ、下がるにせよ、動きのある相場というのは、投資家にとって面白いものだと思うんですけど、どうでしょう?
人によっては「動きが早いと怖い」という人もいるでしょうけど、株価というのは、「人の欲」で動いていますから、動きが激しいということは、その欲望の部分がうまく交錯してるんでしょうね。そして、欲望で相場が動く以上、みんながみんな儲ける事が出来ないわけですから、中には他人を出し抜くためにチャート分析を駆使したり、特別な情報を手に入れるために躍起になったりする人がいます。
よく、僕も「テクニカル分析は何使ってるの?」と聞かれるのですが、なぜそういったことを聞かれるのかというと、テクニカル分析というのは、相場の基礎であり、かつ投資に勝つための必須の奥義みたいなものだからです。
そのテクニカル分析の中でも、簡単に作成でき、わかりやすいことから、もっとも一般的に使用されている分析法が移動平均線です。今回はその移動平均線について少し書こうと思いますが、移動平均線は一般的に終値の平均を設定日数に応じて算出します。日々の細かな動きを滑らかに表現することにより、相場の大きな流れを掴もうというもので、「高くなり始めたら買う、安くなり始めたら売る」という手法(順バリ)に使われる分析法です。
一般的に広く使用されているだけに数々の見方が存在しますが、基本的には平均線より下に実際の値段が来ていたら割安で、上に来ていたら割高。そして、平均線が上に向いていたら、買い基調で、下に向いていたら売り基調ってところですかね。もちろん、その買いと売りの転換ポイントなどもあるし、実際はもっと複雑ですが、移動平均線では一般的に、「値段と移動平均線」「複数の移動平均線」が交差したところを、ポイントとしています。
さて、25日、13週、26週とはなんでしょうか?
もちろん、わかる人には、すぐ移動平均線の種類だとピンとくるかと思いますが、このほかにも、期間の設定次第でどんな平均線でも作り出せます。27日移動平均線も作れれば、18週移動平均線も簡単に出来るということです。
ここからが少し実践的な話になってきますが、日本ではよく短期では5日、25日、中期では13週、26週移動平均線が使われているわけですが、米国になると株の本などに10週とか30週移動平均線を使うやり方が紹介されています。10週は13週に比べ3週少ないだけですから、まだ納得できるところがあるのですが、30週とかにまでなるとその必然性を疑いたくなってきますね。
移動平均線は自分の使い勝手の良いものを使う。これが基本であることを考えると、10週でも30週でも構わないのですが、正直なところかなり戸惑う期間設定ですよね。
僕は人間は何をするにも「合理的な答えを求める生き物だ」という風に思っているのですが、そういう意味では、日本の13週(3ヶ月)、26週(半年)、52週(一年)っていうのは、非常にわかりやすくて合理的です。むしろ米国の方が、数字のキリは良いけど、なにを持ってそういう期間設定してるのか不思議になりますよね(笑)。
しかし、僕が最近よく思うことは、13週、26週移動平均線を頼りにする投資は、今ではそれほど有効ではなくなってきたのではないかということです。社会のテンポ、市場のそれも非常に早まっていて、僕が実際に日々の値動きを見ている限りでは、株価の中期的な推移を示す13週や26週は相場の対応が遅れてしまうケースが多くなってきている気がするんです。
上昇力の強い銘柄の場合、ひとたび上昇に転じたら、移動平均線との乖離を日々大きくしていく。途中もちろん押し目を入れることもあるのですが、それは相当高くなったり、大きな悪材料が生じたりしたときになります。前者の場合、利食い売りが出て適度な押し目を入れることが多いのですが、後者はもちろん下げ止まらないケースだってありますよね。
これらの問題点は、多くの場合、株価がかなり高くなった状況で起きることです。となると、中期の動きを示す移動平均線を使うなら初動段階では使えても、株価が上がってくるとその機会が少なくなることになります。ところが、株価の日々の動きを見ると、銘柄にもよりますが、多くは数日上がっては、数日下げるを繰り返してます。動きの強い銘柄になればなるほど13週や26週移動平均線まで下がることは少ないです。せいぜい下げても25日移動平均線までであり、時にそれを割り込むことがある程度です。
25日移動平均線は、改めて説明するまでもなく、約一ヶ月の平均値を結んだものです。上昇中の株価がこの線まで下がるのは、値動きが軟調になった証拠ともいえますが、一方で絶好の押し目になることが多いです。
この点を考えると、テンポの早い現在のような相場では、25日移動平均線は非常に使い勝手が良いといえます。
ところが、ほとんどの投資家の人は未だに、13週、もしくは26週頼りです。これはどう考えるべきか?
もちろん、これらを否定するということではないので、急に今日明日でそれを捨てる必要はないのですが、難点は底値圏での買いには有効でも、いったん高くなってしまうとなかなか買い場を表示してくれないことです。売りにしてもしかり。上昇力の強い銘柄が13週や26週まで下げ、「移動平均線を割り込んだら売り」というのを実行するつもりでも、そのときにはすでに相当下げている例がほとんどです。
ようは「時流に合ったやり方をする」ということに尽きる気がしますよね。僕は投資の世界に入って、『絶対、勝てるテクニカルの必勝法はない』っていうのがわかっていながら、未だに必ず勝てる分析の組み合わせとかを探してたりしますから(笑)。今回の25日線のことは、別に傾向としてそうなのではないかと思ったので、紹介してみただけなのですが(もし良かったら試してみてください)、一目均衡表とかと組み合わせると、なかなか細かい転換点なども見通せたりします。
結局、自分のやり方に合った方法とかって自分で探していくしかないのですが、まずはいろいろ試してみるしかないですよね。