2003/5/11
日経平均バブル後最安値を考える
 
 
 今回のキーワードは「今のバーゲンセールされている株をどう料理をすればいいか」で、ある。
 といっても、今の右肩下がりの相場では、思い切って買いも入れにくいし、良いところで買ったはいいけど、少し経ったらすぐに買値まで下がる、の繰り返しですから、どうもどんな戦略をとったらいいのかわからない、という状況ですよね。
 
 投資関係の仕事柄、よく相談を受けるのですが、先月も電話がいきなりかかってきては、「持っている株がみんな下がってしまってどうしようもない。どうしたらいいのでしょう?」とのこと。今の時期に株のことを聞く人間というのは、投資歴も長くてバブル前後の株を持っている人だったりするのですが、彼(ら)の経験では理解できないことが今の株式市場に起こっているみたいです。
 
 日経平均株価、TOPIXともにバブル後の最安値を更新し、市場ムードもこんなに暗いのに新高値銘柄が100を越えていて、なおかつ出来高も10億株超えている。
 
 これって、長く投資の世界にいる人間にとってはかなりの異常な出来事だったりします。なぜなら、理屈的には両指標が最安値で、出来高ができているのであれば、セリングクライマックス(売りのピーク)状態のハズなんですよね。
 つまり、最悪状態では通常は出来高が細り、最小レベルになる。そこから市場が立ち直ることもありますが、そうならない場合、思いもがけないことが起きて市場は最後の大暴落に襲われ、パニック売りに出来高は急増する。
 これが底打ちの典型的なパターンです。ようするに、そんな状況では安値更新銘柄は当然急増するものの、高値更新銘柄が100銘柄を越えるようなことはありえない。あっても例外として一つか二つくらいなものでしょう。
 
 ところが、今年になってからの下落局面ではどうかというと、本当に奇妙がコトが起きています。上記のとおり、新高値銘柄が続出しているのです。たとえば日経平均が新安値7693.46円をつけた4月14日。さすがに新安値銘柄が108銘柄に及びましたが、新高値銘柄はなぜか77銘柄ありました。そして、その2日後には新安値銘柄は23銘柄に減少、新高値銘柄は120銘柄を数えています。日経平均がまだ7800円に戻ったにすぎないのに、です。
 
 なぜ、そうなってしまったのか?
 こればっかりは僕も明確な解説ができるわけではないのですが、最近読んだ雑誌のコラムから引用すると、「株式投資では市場のどんな動きをもまずは理屈抜きで受け入れなければならない。全ては市場次第なのであり、それがどんなに理屈に合わず、おかしな動きをしていようがそれを受容しない限り投資はうまくいかない」ということです。つまり、現実を受け入れることで、今市場で起こっていることをキチンと把握し、そしてそれを対処する。そういった冷静な分析ですよね。
 ただ、今の説明で、今株式市場に起こっていることが説明されたわけではないので、あえてここで考えてみると、個人的には5つくらいのポイントがあると思っています。
 
 @長年にわたって売られた銘柄は売り物が尽き、少しの買いでも上がりやすい。
 A低位株はデイトレーダーの投資対象になりやすく、回転売買により出来高が急増する。
 B株価が低い企業はようやく最悪期を脱し、収益が回復傾向にあるところが多い。
 C株式投資では常に業績が「すでに良い企業」より「これから良くなる企業」の株が買われる。
 D日本の機関投資家たちは時価会計の導入など、経営、会計システムの変更などにより株式投資ができにくくなってる。
 
 他にもいろいろ原因はあるでしょうが、このような状況では積極的にリスクを取れる投資家たちが好んで売買できる銘柄でなければ上がりにくいです。株も通常商品と同じく消費者(=リスクを積極的に取る投資家たち)に好まれるものでなければ売買の対象にはなりません。対象にならなければ株価は上げようがないんです。
 
 この点を考えると、現在のような相場で利益を上げるためには、売り込まれた値がさ株、優良企業株を逆張りで狙うのではなく、多少あやしく見えても、活発な商い対象となっている銘柄にシフトした方が良いということになります。
 株式相場はどんなに優良銘柄でも動きが横ばいでは儲かりません。価格が動くところに利があり、停滞したところには虚しい希望と損失しかありません。ですから、仕掛けるタイミングも大切ですが、どんなカテゴリーの商品(企業)に今資金が動いているのか?そういったことを見極めるのがまずは大切なのではないでしょうか。
 
 

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