2003/4/29
投資は個々の人生観に反映される
 
 
 現在、銀行預金等、リスクを伴わないリスク・フリー・レート(無リスク金利)での資産運用は年1%に満たないです。また、年金運用は年金維持に必要な年5.5%の運用が達成できず、その後2.5%引き下げられた運用水準をも達成することができないでいます。土地や株価もひたすら下がり、目を覆いたくなるような状態が続いています。
 そんな中、本当に悲惨な人ばかりかと言うと、100万円を1億円にしたとか、短期間で数億円稼いだとかいう投資家の声も枚挙にいとまなく聞こえてきますから、うまくいっている人はうまくいっているんでしょうね。
 でも、この手の成功例がある影には、もちろん他の多数の人が損をしているわけで、それっていうのは、宝くじと同じですよね。必ず1億円の当選者の人は出るけど、他の大多数の人はみんな損してる(笑)。
 みんな誰もが相場で儲けたい。しかし、リスクを取って運用する以上、そこにはなにがしかの歯止めが必要になってきます。今、さかんに投資や資産運用におけるリスク管理が問われていますが、方法論や知識としてだけではなく、原点に返ってリスクのあり方について考えてみていい頃かもしれません。
 
 投資とは、リスクを取りながらリターンを追求することです。一般的には、リスクが小さければリターンも少なく、リスクが大きければリターンも大きい。これは当然のことですよね。
 投資の世界では、個々の投資家がどの程度のリスクを取り、どの程度のリターンを狙うのかは個々の問題となり、これを公式に当てはめて計算することなどできません。なぜなら相場に対する考え方が十人十色だからです。
 リスクを取るということは、最初の投下資金が減少する可能性があることを暗に示唆しています。しかし、元本を継続的に逓減させるのであれば、そのような投資は行わない方がよいことになります。投資行動を起こし、自分の資産が減少するのであれば、何もしないで銀行預金に資産としておいておいた方が明らかに合理的だからです。
 しかし、そうではなく、リスクを取りながら、リターンを狙って株や債券などに投資をしていくのは、その相場に参加することにより自分の資産が増加する可能性が高いと判断したためであり、何もやらない人がいるのは、その可能性が低いと判断しているからに他なりません。
 
 僕が自分で投資をするときに自分の資産をリスクにさらすのは、そうすることで自分の資産が増える可能性が高いと考えているからであり、そこには決して他人には言わない僕だけの投資テクニック(分析)が組み込まれているからです。
 結局、相場というものは巧くいくときもあれば、ダメなときもあります。それこそ信じられないような事件があり、大荒れに荒れることだってあります。しかし、そういった青天の霹靂みたいなことが起こっても、それをあらかじめ前提条件として、自分の運用資産をいかに減らさないようにリカバリーが効くような範囲内で押さえ込むことかを考えないと、投資の目的を達成することはできません。
 投資関連の本を読むと、マネーマネジメントの重要性を強調するものが多いです。でも、このマネジメントに関して詳細に書いた本は皆無といっていいほどありません。それは、それが非常に難しい問題を孕んでいるからです。
 
 @投資家ごとに運用資産が異なること。これは単なる運用資産という意味と、それ以外の資産も含みます。10万円しかない投資家と、1000万円の投資家、そして1億円持っている投資家では運用のやり方が異なるのは当然です。だから運用資産ごとに全てのマネジメントを論じることは不可能なのです。
 Aまた運用資産が同じでも、投資に対する考え方が人それぞれ異なること。これも重要です。ある人はリスクを抑えて運用しようとするが、ある人はレバレッジ商品まで使い、大きなリスクを取って運用する。このとき、ある人は元本から1割程度の損失で押さえたいと思うが、別な人はその元本を全て失ってもかまわないと考えているかもしれない。ここには、運用資産そのものが余剰資金である場合もあれば、別に100億円の資産がありながら一億円で運用しているかもしれないという背景があります。仮に100億円の資産がある人なら、1000万円の運用資産(1/1000)を失ってもなんとも思わないかもしれませんし、お金のない人はある意味リスクを最大限に取りながら、ガムシャラに相場から利益を取ってこなければならないでしょう。このように、その人の資産を背景とした相場の考え方の違いをコト細かく論じることも不可能です。
 
 また、僕は投資家の年齢も重要なファクターだと思っています。年金制度が破綻しつつある今、老後資金の確保は切実な問題ですから、いま年金をもらっている人は十分な厚生年金と企業年金をもらい悠々自適に過ごせるでしょうけど、これから年金をもらう人は、僕も含め、はたして年金自体をもらえるかどうかわからないという危機感があります。今までは終身雇用に支えられ、退職金もかなりの額もらえた。しかし、今はどうか?と考えたときに、どうしても一抹の不安が残るというわけですね。ですから、若い人は若い人なりのリスクマネジメントを組む必要があるし、年輩の人は年輩の人なりのリスクマネジメントを組む必要があるということです。
 
 総括として、相場のやり方に正解がないように、マネジメントにも正解はないと思います。相場の世界に限らず、どんな勝負事にも勝者が絶対で敗者に発言権はない、そして生き延びた投資家が賢明であり、消え去った投資家は愚かと判断されます。非情なようですけど、「勝ち逃げ」という言葉がありますけど、相場の世界ではこれが非常に重要だと思う。「金持ちケンカせず」「負け犬の遠吠え」が表すように全てが自己責任ですから。一回の負けで今まで稼いだお金がパーになる危険性だって考えなければなりませんよね。
 投資のやり方にまず自分の人生観を照らし合わせてみて、そこで初めて自分の投資のやり方なりテクニックなりが確立されてくるんだと思います。世のトレーダーをみてると、「逆張り派」や「順張り派」もいれば、完全なテクニカル分析しか頼らないアナリストもいますし、ようはそれが良いとか悪いとかじゃないんですよね。大事なことは、そのやり方が自分に合っているのかどうかなんだと思います。
 投資に限らないのですが、全ての発想というのは、この人生観に立っているということが大事だと思います。これから投資をはじめる人は、自分にとってなんのためにお金が必要なのか?そういった原点に返ること、これもまた勝つ秘訣じゃないでしょうかね。なにしろ地図を持っていてもコンパスがなければ自分の位置も方角もわかりませんから(笑)。ようはそういった人が投資で勝てるわけがない、ということです。
 
 

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