2003/1/19今年の日本経済はどうなるのか?あけましておめでとうございます。2003年になりましたね。本当はもっと早くコラムも更新したかったのですが、毎年年末年始は相場がよく動くために本業が忙しくなります(^_^;)。何を書こうか迷っていたので、今回は簡単に今年の経済について書きたいと思います。日本は未だデフレから脱却する気配がみられないし、いよいよバブル崩壊から13年突入という形になります。そして、早くも3月危機が取り沙汰されており、日経平均株価の下落も懸念されています。では、2003年はどうなるのでしょうか?個人的には、去年なんかもいろいろ世界経済にとっていやなことがたくさんあったのですが、今年の方が過去にないくらいいろんなことが起きると思っています。今年は2003年癸未(みずのとひつじ)になりますけど、未年の年というのは過去何度もとんでもない出来事が起こってるんですよね(下参照)。1907年 NY株大暴落1919年 ヴェルサイユ講和条約調印1931年 金融恐慌1943年 スターリングラード攻防戦1955年 ワルシャワ条約調印、日本GATT加盟1967年 第三次中東戦争1979年 ソ連アフガニスタン侵攻1991年 湾岸戦争、ソ連崩壊まぁ、毎年探せば何かしら事件があるからこじつけだよ、とか言われたらそれまでですけど、意外と歴史年表みてると、未年っていうのは大きな事件が本当に多い年みたいです。さて、真面目な話をすると、日銀が2002年に発表した12月の企業短観によると、先行きの企業の景況感を表す業況判断指数が7期ぶりに悪化に転じてます。けん引役の輸出には若干減速懸念が出ていますから、これからストレートな形で「収益が改善して、設備投資が向上、そしてその後に投資・雇用増」というような回復シナリオは描きにくいと思います。それに不良債権問題も不安材料ですよね。金融機関の貸し出し態度判断指数は大企業、中小企業とも先行きは大幅悪化が見込まれています。これにより、企業は設備投資を減らして借入金の返済を進めていますし、先行き不安が企業の行動を萎縮させています。2002年の経済はひとことで言えば、輸出主導型の景気回復だったと思うんですけど、昨年の一月から景気が回復過程に入っていると思います(これは長期的スパンでみて)。特に昨年の前半、上期では輸出が急増しましたけど、この三十年間の中で半年だけで見ると輸出の増加率が今回は最高ということですから、いかに輸出主導の景気回復であったかが言えると思います。
ただ、今はデフレだとか消費の低迷だとかいろいろいわれている中で、どうしても一般的に「日本の経済は悪い」と思われがちなんですけど、それでも2002年度は全体ではプラス0.9%成長の見通しですから、結論的には「思ったほど悪くない」ってことになるんですよね。
原因はやっぱり輸出セクターがとても突出していたってことで、自動車と電気機械が好調だったからなんだけど、今の日本っていうのは、成長率は確保されているのに、景気の良い悪いという日銀の短観DIでは「悪い」という異例の結果がでてますから、本格的な回復にはまだかげりがあるのかもしれません。
株に関しては、今回の9月の中間決算が出て、経常段階では7割の大幅増益なのですが、結局最終利益では下方修正しておりまして、PER(一株当たり利益の何倍まで買われているかという株価収益率)でみると、9月段階では20〜21倍だったんですけど、昨年の9月の中間決算が出た後、最終利益に対する株価の倍率は26〜27倍まで上がってきてますから、少し逆に割高なのがでてきていると言うことだと思います。
今年また大幅なリストラによって利益が不況下にもかかわらず大幅増益になれば話は別ですけど、これは個別企業ではそういう企業があると思いますけど、日経平均やTOPIX全体で、というのはなかなかむずかしいのではないかと思います。ですから、年初は日経平均で最悪7500円、うまく止まってくれれば8000円前後と僕はみています。いずれにしろいったん株価が上げてくるのは3月の決算期過ぎてから、ですかね。
日経平均株価は1月17日終値現在8690円ですが、今日本のアナリスト達の予想の多くが2月〜3月に7500円になる、というものです。当然これは「三月危機」と重なります。ただ、個人的には2月と3月にそこまでの下落はないとみています。これは覚えておいた方がいいと思うのですが、過去69年間の株式市場の歴史の中で2月の安値がその年の安値になったことは一度もないんです。ですから、2月とか3月とかも悪いんでしょうけど、今年の安値は9月か10月になるのではないでしょうか。あと、2月〜3月という時期は米英軍によるイラク攻撃の真っ最中の可能性もありますよね。戦況次第ですが、原油市況は1バレル=40ドル台に急騰、とかになれば世界経済に大きな影響を与えるでしょう。小泉さんの政権はデフレ下のデフレ政策を強行しています。これって実は極めて危険なんですよね。恐慌的状況が出現する恐れがありますから。大恐慌時の米・フィーバー大統領、昭和恐慌時の浜口雄幸首相の二の舞になりかねないです。デフレ・不況が非効率な企業・仕組みを排除し、新陳代謝を生むことによって、社会が活性化される・・・これは経済学部の学生なら知ってるかもしれませんがアロイス・シュムペーターの「新結合」という理論ですけど、小泉純一郎首相と竹中平蔵経財・金融相の考えはこれに近いです。デフレ歓迎の姿勢という意味で。しかし、経済学的にはこの理論は否定されてますね。アービング・フィッシャーの「デッド・デフレーション理論」に負けてますから。デフレをもてあそぶと恐慌に突入、取り返しのつかない事態に陥る。これは歴史の教訓でもあります。いずれにしろ、小泉首相の政権が今年も存続しうるかというのも、まだはっきりしませんが、それとは関係なく今年は面白い一年になりそうです。投資環境は悪いですが、こういうときにこそ、将来のために投資の勉強とかってしてみると面白いかもしれません(笑)。なにしろ、日本はこれから少子化の高齢化で若者が苦労する時代に入りますから・・・・(^_^;)。それでは、本年もよろしくお願いします。