2002/8/18
ペイオフ解禁による貸金庫の真実
 
 
 
 先日のニュースでペイオフの全面解禁に新たな制限がくわえられるようなニュースが出ましたけど、そんな中さりげなく需要が高まっているのが銀行の貸金庫です。僕の仕事の客にも「どこにお金を預けたらいいかわからないから、家のタンス預金でイイよ」と言う人間がいるので、その延長線上として貸金庫に需要が集まるのもわかる気がしますね。
 タンス預金が増えているとか減っているとかっていうのは、日銀が発表するマネーサプライ(通貨供給量)速報とかをみると大体わかるのですが、今では預金者が現金で持つ比率が10%以上というのが実情です(ちなみに、マネーサプライ速報なんて一般の人じゃまずチェックしないでしょうけど、普通預金などの比率を表す「預金通貨」、現金で持っている数字を表す「現金通貨」、定期預金などを表す「準通貨」の3つの項目をチェックすれば一般の人であれば十分だと思います)。日本の金融資産は1400兆円といわれていますけど、そのうち現金・預貯金だけでも650兆円くらいなので、タンス預金10%以上って金額的にはかなりすごいですね。
 そうした中、貸金庫の人気が一部で盛り上がってるんですけど、この貸金庫。名前は知っててもどんなものなのか?そういうのを知っている人ってあんまりいないじゃないかな〜って思います。そこで今回取り上げてみたんですけど、決して僕が「貸金庫にお金をいれときなさい」って言っているわけじゃないですよ(笑)。あくまで参考にしてもらえればって思います。
 
 そもそも、貸金庫の需要自体は数年前からじわじわと高まっていました。盗難被害の広がりや高齢者、一人暮らし世帯の増加などが背景にあります。貴重品を自宅から貸金庫にうつすことで、不測の事態に備えるわけです。こうした需要にさらに拍車をかけたのがペイオフで今年に入って金地金の販売量が急増したことが話題を集めましたけど(ペイオフ対策として)、その保管場所として貸金庫が注目されていたり、現金の保管も検討されていたり、するわけです。
 そこで、貸金庫の基本を知っておいてもらおう、と思ったわけなんですけど、よく貸金庫っていったら、刑事ドラマとかで出てきたりしませんか?犯人が貸金庫の鍵を隠し持ってた、とかね(笑)。でも、実際はああいうシーンってドラマの便宜上うまく作られてるだけだったりもするんですよね。で、ちょっと、Q&A式にまとめてみたんですが、貸金庫の基本的なコトは以下のようになります。
 
Q1.どこで借りられるか?
A.銀行、信用金庫、信用組合、労働金庫などの店舗になります。でも、全ての店舗にあるわけではありません。
 
Q2.金庫のサイズはどんなものがあるか?
A.一般的な小型サイズは、幅25センチ×奥行き50センチ×高さ5〜10センチ程度。いくつか種類があって、中には幅60センチ×奥行き80センチ×高さ100センチなどの大型もあります。
 
Q3.利用の仕組みは?
A.大別すると有人式とカード式の二種類あります。有人式は、職員が付きそって鍵で開けるやりかたで、カード式は、専用のカードと暗証番号で開けるやり方です。
 
Q4.料金はどれくらいかかるか?
A.これが一番気になるところかもしれませんが、金融機関、サイズ、仕組みなどによって異なるので一概には言えませんが、銀行の小型サイズは年一万〜二万円程度が一般的です。信金、信組、労金は全般的に銀行よりも低め。同じ金融機関でも支店によって異なる場合もあります。
 
Q5.借りるための条件は?
A.金庫がある店舗に口座が開いていることが大前提です。取引実績などから金融機関が判断します。住宅ローン、給与振り込み、年金受け取り、公共料金引き落としなどの実績がこのとき重要になってきます。
 
Q6.中に何を入れられるか?
A.危険物や変質のおそれのある物は保管禁止。それ以外は原則自由。
 
Q7.保管した物に被害があったら?
A.意外かもしれませんが、金融機関に過失のない天災・火事などによる被害は補償されません。ただ、阪神大震災でも大きな被害はなかったとされるので、耐久性に関してはかなり高いと思います。
 
Q8.貸金庫のある金融機関が破綻したら?
A.貸金庫の中身は金融機関に預け入れた資産とは別物なので、破綻によって損害を受けることはありません。
 
 以上、八項目でまとめてみましたが、他にもあればまたメールででも教えてください。そもそも今回のことを書こうと思ったのは、仕事の客に相談を受けてそれがきっかけだったりします。内容は「銀行預金に不安を感じるから現金で持っていたんだけど、貸金庫を借りた方がよいのか?」というものでしたが、実際そういう不安を抱いている人って思ったよりも多いみたいですね。
 結論を言うと、僕はその必要は全くないと思います。小泉さんが言っていましたが、ペイオフという制度は別に対個人のための制度ではなく、中小企業や社会法人などが持つ預金が狙いなので、今現在銀行の口座を一つだけで管理している方ならば、それを複数に分けるなりして、分散すればそれで終わりだと思います。
 そもそも口座数でみると一千万円以上の大口預金のウェートっていうのはかなり少ないんですよね。日本には約9億口の個人預金口座があるますが、そのうち一千万円以上は512万口しかありません。わずか0.6%です。つまり、残りの99.4%は一千万未満で、大半の個人預金者はペイオフが実施されても預金はカットされないわけです。確かに、貸金庫もこれから支店の統廃合がどんどん進んできますので、借りにくくなるというのが実情ですが、「ペイオフを心配して」ということであれば、僕は必要ないと思います。
 買った金の地金を保管したい、という場合は別ですが・・・・(ただし、コレに関しても別の運用方法があるんですけどね♪)。
 
 
  

「資産運用の智恵袋に」戻る